マンションの空き駐車場の外部貸しは収益強化の有効な選択肢です。ここでは、マンション駐車場の外部貸しのメリット・デメリットを中心に説明します。
外部貸しのメリット
高確立で収益化できる
マンション駐車場の外部貸しは、収入源の確保に繋がるのが大きなメリットです。
例えば、1ヵ月1万円で貸し出している駐車場20台の半分に当たる10台が空いたままの状態だと、1ヵ月で10万円の赤字です。1年間に換算すると120万円の赤字が発生していることになります。
そんなときに、駐車場サブリース業者に次の流れで駐車場を住民以外に貸し出し、利益を出すことができます。
- 1台当たり1万円、10台で10万円の月額収入が得られない状態だった
- 駐車場サブリース業者に月額使用料の40%を支払うことにする
- 毎月4万円の駐車場代の収入を得られるようになる
管理組合側からしてみると、「普通にマンションの住人に貸し出すよりも損をしているのでは?」と感じるでしょう。
しかし「空き=0円」のところを「10台=4万円」得られるのは大きなメリットとなります。
面倒な運営管理業務から解放される
サブリース業者にマンションの駐車場の外部貸しを依頼すると、次の業務を代わりに行ってくれます。
- 外部の駐車場利用者の募集
- 利用希望者との契約業務
- 駐車場の解約対応
- 賃料滞納者への督促
- セキュリティ対策やトラブル対応
駐車場運営に伴う面倒な管理業務から解放されることも、マンション駐車場の外部貸しのメリットです。
賃料の収入も基本的には毎月の固定収入になりますので、入金管理の作業も面倒ではありません。
外部貸しのデメリット
マンションの駐車場の外部貸しができると聞き「サブリース業者に依頼しよう」と考える方は多いと思います。
しかし、マンション駐車場の外部貸しにはいくつかのデメリットもあります。
事前にきちんと押さえておくべきデメリットを以下にまとめましたので、確認してください。
①セキュリティが低下する
マンション駐車場を外部貸しするの最大のリスクは、セキュリティの低下です。
駐車場のサブリースの提案を行う場合、マンションの居住者の中には「セキュリティが大丈夫なのか?」と心配する方がいます。
近年のマンションは駐車場の出入口にシャッターが備えられているケースが多く、居住者以外が出入りすることはできません。
しかし、駐車場の外部貸しを行うと、貸し出し区画の数だけシャッターのリモコンや駐車機の操作キーを貸し出す形になります。
外部の人間に貸し出す駐車場の数が多ければ多いほど、マンション居住者以外の人が出入りする形になりますので、当然のようにセキュリティが低下しやすいわけです。
具体的にマンションの駐車場を外部の人間に貸し出した際に、どのような問題が発生しやすいのか見ていきましょう。
- 高級マンションに住む富裕層を狙って侵入を試みる人間が出てくる
- 不心得者が車に悪戯をする危険性がある
- 駐車場利用者の子供が入り込んでボール遊びをする
駐車場の外部貸しを行うマンションでは、居住者でないことを理由に一方的に排除するのが難しいリスクがあります。
②事故のリスクが高くなる
駐車場の外部貸しを行うと、車同士の事故発生リスクが高まります。
居住者限定の駐車場であれば、住人同士のトラブルを避けるために慎重に運転しようと心掛けるでしょう。ただ、外部の人間はそこまでの気遣いをしないことが多いです。
③駐車場の需要増加に対応できない
本来であれば、マンションの駐車場は居住者のために作ります。
入居者が利用することを前提に作られていますので、戸数に対して駐車場はそこまで広くありません。
今は空きが出ているからといって駐車場を外部貸しすると、住民からの需要が増えた時に対応できなくなる恐れがあります。
外部の人間に貸し出したことで、マンションの居住者が別の場所の駐車場を借りて我慢を強いられるのは本末転倒ですよね。
少しでも収益を確保したいからといって安易に駐車場の外部貸しを行うと、マンション全体の価値が下がってしまいます。
不動産コンサルタントのご提案
駐車場シェアリングサービスとは、自宅の駐車場をより幅広い需要を持つ会員ユーザーがシェア利用できるようにする新しいシステムです。
駐車場シェアリングサービスであれば外部貸しをしても、会員登録ユーザーのみの使用になるためセキュリティは保たれますし事故リスクも抑えることができます。
契約期間等を決めて貸し出すわけではないので、月極の契約が決まりそうであれば、シェアリングサービス側の登録を取り消すだけで住民への貸し出しも可能です。
